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『レクイエム』こばなし。 [日々のこと]

『レクイエム』こばなし。



◉終演のご報告動画を作成しました。

◉立場上、何回も本番を観るワケですが、オープニングのウタのシーンで『幻の同窓会』的に女子がキャイキャイやってる中にハマダヨウコが楽しそうにとけ込んでいるのを見るのが、実は一番胸に堪えた。

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こんなふうになりたかったんだろうなぁって、なんでもない風景なのに、ハマダヨウコ視点で観るとあまりにも遠くて、胸が張り裂けそうになってた。

普通に分かり合える友だちがいて、家族がいて、いやそれって大多数がそうなんだけど、そうでないところからの視線を痛烈に感じた作品だった。

服部先生も事故や石橋とのことで、社会的にパージされてる背景が見て取れるし、雲雀にしても石橋にしても、いわゆる『社会的に孤立してる』ってヤツだ。

3人ともに心を通わせられる友人の存在は見て取れない。孤立した者同士がそうではなかった過去をよすがに一夜の宴を開いた晩から始まる物語だった。

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丸尾くんのホンには『バイトで店長』『バイトリーダー(に出世)』って設定がちょいちょい顔をのぞかせる。ソコと紙一重のところをエイヤッと駆け抜けた残り香のように思う。

翻ってボクのホンに出てくる人たちは、だいたい普通に会社員だ。希蓉美ちゃんに書くことの多いフリーターのシンガーという役が特殊で、概ね社会と問題なくコミット出来ている人たちの物語だ。

いや、バイトリーダーの生き様を社会とコミット出来てないと言いたいわけではないんだけど、なんていうか『私もバイトやん。私の人生しょーもなー』ってセリフはボクの中からは出てこない。

自己肯定感が低いというか、自尊心が低いというか、そういう人たちだけの物語だった。だからこそ、彼らが大切にしているものの尊さがより光っていたように感じながら製作していた。

その光は明らかに妖しい光だったりするんだけど、それも「そちら側」にいないからこそ妖しく輝いて見えるんだろう。

人を求めることの切実さが、ボクの書く物語とは段違いに違う。その中でも、雲雀と石橋に比べるとハマダヨウコはより切実でより餓えている。ハマダヨウコが服部先生に抱いた気持ちを単に『恋心』と片付けるのには躊躇いがある。

だけど物語においては、その餓えや切実さを暴力であったり嘘をついたり、振る舞いでダイレクトに表出させる石橋がもっとも主人公然としている。非業の最期を迎えるところまで。

その最期に、自分が逃げることより『先生、逃げてー!』と絶叫するところに、彼女の悲しさと愛おしさと美しさがある。あんなに身勝手であったのに、もっとも身が切迫した場面において吐く言葉に、人を求める切実さが凝縮していた。

最初にもどって、石橋もまた嘘や暴力という手段をとらずに『幻の同窓会』のような和やかさの中に生きることはできなかったのかと、悲しくなる。

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ハマダヨウコの双子の姉のハマダユウコ、河上の二役だったが、彼女もまた社会的にうまくコミットして生きることが出来ているようには思えない。が、なんとか折り合いをつけているという哀愁が漂う。

その点は雲雀にも共通したものを感じる。あんなことにならなければ、自尊心を持てぬままにもなんとかかんとか折り合いをつけて生きていっただろうし。

そんなこんなが、『幻の同窓会』での和やかでみんな仲良く、そして朗らかな彼女らの歌声を聞くたびに胸に突き刺さっていた。そこにはちゃんと或る女(猫)もいる。

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丸尾丸一郎の世界観ではあるのだけど、その『幻の同窓会』に或る女(猫)は登場するのにコックは登場しない。このコックこそ最も孤立していただろう。彼がなぜあの蛮行に及んだのかは描かれていないが、その背景に孤立をもってくることに違和感はない。

仮にあれがハマダヨウコの観る幻だったのだとすれば、友人たちがいればコックは要らなかったのだとも読めて、それはそれで悲しい。

まあ、ストーリーラインとは大きく関係はないので、個人的な感慨の域は出ない。

◉『山犬』観たときから思ってたが十年も腐り続けたら、それはもう腐敗やなくて発酵や。いい匂いがしてもおかしくない。

◉終わってから積み下ろしのあとで「石橋がチョコレートに何を入れたら、そんなことになるのか」という笑い話で盛り上がった。きっとヤバいものが入っていたんだろう。

◉「ビーフ」カレーの肉は、牛や。

◉むかしむかしに照明をしたダンス公演で、女性がフルヌードになるシーンがあったんだけど、実際にフルヌードになったのは本番だけで、稽古もリハも服を着てやってた。
丹下ちゃんが服部先生に迫るシーンが、本番だけがガチで良くて、なんかそんなことを思い出した。

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こばなし、おしまい。
また、なんか思い出したら書きます。

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◉河上がブログを「山小屋に朝が来ました」で締めていたのは、素直に『良いなぁ』と思った。

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